IT × 物流でハコブを最適化する
実家は長野で運送業を営み、自身も大手運送会社で約11年トラックドライバーと管理職を経験。物流とは縁の深い人生を送ってきたのが、物流企業であるハコブホールディングスのグループ会社、株式会社ハコブの窓口で代表取締役を務める清水基だ。ハコブホールディングス代表の藤田から誘われて、2017年7月にハコブ株式会社へ入社した。
「前職時代から藤田とは知り合いだったんです。私の実家が運送屋であることや、いずれは継ぐことも視野に入れて運送の仕事に就いたことも話していました。そうしたら、ある日こう言われたんです。『ゆくゆくは実家に戻るとしたら、今よりも規模の小さい会社になるよね?大手のやり方とは違うことも多いから、うちで経験してみれば?』って」
大手運送会社からハコブへ移ってみると、これまでに経験したことのない壁にぶち当たっては乗り越える日々の連続だった。特に、効率よく協力会社を作る『物流マッチング』を主催した際は、企画・運営・集客など未経験のことばかりで、すべてイチから調べてどうしたらいいかを考え、自らが積極的に動く必要があったのだ。「大変な分、自分の成長を感じられ、やりがいしかない」と清水は言う。
ハコブに入ってから物流業界内外含め、たくさんの企業の方と出会う機会が圧倒的に増えた。様々な情報・知識を得ながら、一度物流業界を俯瞰して見るようになり、「物流企業と消費者にある輸送方法のミスマッチ」に気づいた。それを最適化することを使命と感じるようになったという。
そうした想いを持ってハコブの窓口の代表に就任した清水が取り組んでいるのは、世の中のさまざまな物流サービスとお客様のあらゆる配送ニーズを“適正に”マッチングすること。価格・スピード・品質等、物流の手段それぞれに強みがあるにもかかわらず、その情報が世の中に知られておらず、消費者は最適なサービスを選択できていないのではないか。それが、結果的に何重にもなる下請け構造や、物流の担い手の疲弊を招いているのではないか。そう考えるからこそ、ハコブの窓口が物流企業と消費者をつなぐ存在になろうとしているのだ。
企業理念は『晴れた日の道の真ん中を歩く』としている。常に正々堂々とやるべきことをやるという「行動」と、現在の物流業界にかかる曇り空を吹き飛ばし、社会の重要な役割を担いながらも、隅に追いやられている業界を真ん中に移す「存在」という意味も含んでいる。
「昨今の様々な物流の問題は、閉鎖的な業界であることも一因だと思っています。私たちが目指すのは、物流企業が社会に対してオープンな存在になることです。例えば、どんなサービスをどれくらいの運賃・価格で行うのかを公表する。さらに、ハコブの窓口では消費者からの評価やクチコミを掲載して、物流企業を選択する材料に運賃だけでなくサービス・品質を加えることができ、結果として運賃を底上げし適正化。そして、ドライバーに収入として還元し、ドライバー職を稼げて社会に貢献できる憧れの職業にする。これらを実現し、『ドライバー不足という言葉を懐かしいと思える』新たな時代をつくっていきます」
近い将来には、送りたい荷物や保管したい荷物をスマートフォンで撮って送り先情報や保管期間を入力すれば、10,000社の物流企業情報からAIが最適企業を自動選択して提案するサービスを提供する。株式会社ハコブの窓口がその名の通り、物流の窓口になり消費者にとって最も身近で、物流がより身近になる社会が到来するのも時間の問題になりそうだ。